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東京都世田谷区代沢4-5-19 フィル・パーク三軒茶屋 1F

呼吸器内科

喘息

喘息

息が喘(あえぐ)ように息がしにくい状態なので、喘息と呼ばれます。発作的に気道が狭くなるため、息を吐くときにヒューヒューといった呼吸音が出ることが特徴です。
夜中や朝方に咳がでたりやヒューヒュー、ゼイゼイする、運動したときや冷たい空気を吸ったときに咳が出る、風邪のあとに咳が止まらない、などの症状は喘息かもしれません。

原因とタイプ

1.小児期に発症するタイプと2.成人になってから発症するタイプがあります。

1.小児期発症タイプ

アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎をもっていることが多く、アトピー型喘息ともいわれます。体質的にアトピー素因をもっており、アレルギーを起こす原因(アレルゲン)に反応して壁が厚くなることで気道が狭くなります。一年を通して原因になるものを通年性アレルゲンと呼び、ダニとホコリが代表です。また個人毎に食べ物など特有なアレルゲンもあり、そのアレルゲンに触れると発作を起こします。ペットを飼っていると、次第にペットのフケがアレルゲンになることも少なくありません。
体の成長とともに症状が軽快し、成人になって再燃するケースと、軽快が得られないまま成人喘息に移行するケースがあります。

2.成人発症型タイプ

喘息はアレルギー疾患というイメージがありますが、成人発症型はアトピー素因があるわけでなく、風邪や過労、ストレス下で、様々な刺激に過敏に反応し、発作的に気道が収縮するために起こります。なんらかの遺伝的素因が関与していると思われます。この30年間で数倍に増えており、成人の喘息の半数を占めています。

治療

当クリニックでは小児喘息から成人喘息まで幅広く診療します。喘息は炎症で浮腫み厚くなった壁を戻し、収縮した気道を広げる(気管支を拡張させる)治療をしますが、そもそも気道を収縮させないことが最も重要です。そのためには原因を把握して触れないようにする(抗原回避)か反応を抑える工夫が必要です。
反応を抑える方法として減感作療法が体質改善につながり根本的な方法ですが、ガイドラインではより簡便な投薬方法が第一選択となっております。
最も有効なのはステロイド吸入療法で、近年は成人のみならず小児喘息に対しても積極的に行われるようになりました。
抗ロイコトリエン剤はステロイド吸入療法の代替え療法として小児喘息のもう一つの第一選択、成人喘息の追加治療として有効です。
重症喘息には他の吸入療法や生物製剤も使用できますが、まずはステロイド吸入療法、抗ロイコトリエン療法を患者様と医師が協力して規則正しく行うことが重要です。
喘息治療の向上には、患者様ご自身に自分の病態を認識して理解してもらうことが不可欠です。ピークフロー日誌や食事日記をつけることも有用です。

類似疾患

近年の大気汚染や生活環境の変化からか、持続する咳を主訴に来院される患者様が急増しています。感染後の気道過敏性から起こる感染後咳嗽、アトピー素因から起こるアトピー咳、喘息の素因から起こる咳喘息など、咳にも色々なタイプがあります。

慢性閉塞性肺疾患(copd)

copd

文字とおり、慢性的に気道が閉塞することによる生じる病気です。英語のchronic obstructive Pulmonary diseaseの頭文字をとってCOPDと称され、今や新聞などでも目に触れる機会が多いと思います。

原因・症状

長期間におよぶタバコ喫煙が主な原因で、喘息と異なり狭くなった気道(気管支)は自然には元に戻りません。気道は空気を吐くときにより細くなるので、気道が狭くなった結果、吸った空気を吐ききれなくなることで肺により多くの空気が残り、呼吸が邪魔され息切れが強くなります(運動対応能力の低下)。
同世代の人より歩くのが遅くなった、以前平気だった坂や階段がきつい、など感じたら相談して下さい。

診断

  • 長期の喫煙歴または受動喫煙歴があることの確認。
  • 胸部単純X線写真で肺の過膨張、肺野の透過性亢進。
  • 気管支拡張薬吸入後の呼吸機能検査で、1病率が70%未満。

合併症

気道の変化が進む程、肺炎などの感染を合併しやすくなり(COPDの増悪)、予後も悪くなることがわかっています。痰が多くなったり、痰の色が汚くなった際には受診して下さい。また喫煙者の病気のため、肺がんの合併には注意が必要です。

治療と管理

禁煙することで、呼吸機能の低下を抑えられるので、まずは禁煙することが大切です。
その上で、自覚症状に呼吸機能検査を照らし合わせて治療を行ないます。
目標は症状と生活の質(QOL)の改善と、運動能力と日常生活能力の向上・維持です。
治療は喘息と同じように吸入療法が主体ですが、喘息治療薬とは機序が異なる吸入薬で気道が縮もうとするのを緩めるものです。気管支を拡げることで呼吸困難感を軽減させることができます。また増悪を起こさせないために感染対策として手洗い・うがい、ワクチン接種が重要です。
自覚症状がない、あるいは乏しくて健康人と同じ様に感じる早期の段階でも、肺の加齢スピードが非喫煙者と比べて早く、将来呼吸障害がより早く出てしまうので、早い段階で治療を開始することが大切です。
進行した際には体の酸素濃度が下がってきます。安静時のみでなく、労作時に血中の酸素濃度が低い(サチュエーションモニターで90%未満)時には在宅酸素療法を早期に導入して、心臓の負担を軽減することが予後の改善(寿命の延長)に結びつきます。
また痩せると呼吸筋力が低下し、呼吸困難感も更に悪化します。
腹式呼吸などの呼吸リハビリも有効ですので、当クリニックでは患者様の状態に合わせた相談も行います。

肺炎

間質性肺炎

かぜなどを契機に細菌が気道に付着して炎症が起こり、それが肺にまで及ぶと肺炎を起こします。肺炎は高齢者の病気と思われがちですが、若い人でも起こりえます。抗生物質の投与など適切な治療により治る病気ですが、高齢者になると重症になりやすく、ときには命を脅かすこともあります。

肺炎の種類

原因の菌は肺炎球菌が最多で、かつ重症化しやすいので、高齢者になると肺炎球菌ワクチンを接種するように勧められます。
“かぜをこじらせて肺炎になる” といわれるように、肺炎になる前に風邪とか、気道の病気とか基ともいえる状態が患者様には先にあります。
普通の状態なら肺炎は人にはうつらないと思って大丈夫です。しかし気道に病気がある方は、肺炎になりやすいので、ワクチンが強く推奨されるのです。
一方、うつりやすい肺炎もあります。その代表がマイコプラズマ肺炎です。マイコプラズマは気管支に生着しやすいため、人から人へうつってしまいます。小児から成人まで、幅広く感染するので、“家族内感染”を起こします。気管支の症状が前面に出るため、痰の多い普通の肺炎と異なり、マイコプラズマ肺炎は痰の少ない“乾いた咳”が特徴です。マイコプラズマは自然に治ることもありますが、長く患うことも多く、しつこい咳の際には注意が必要です。気管支が障害されるため、小児のマイコプラズマ感染をきちんと治さないと、喘息症状が残ってしまうため注意が必要です。
最後に高齢化社会を反映して誤嚥性肺炎が大きな問題となっています。加齢とともに、気管支へ物が入りやすくなるために生じます。食事をする際にムセが目立つようになると要注意です。誤嚥性肺炎は繰り返すため、単に肺炎を治すだけでは問題は解決しません。ムセに対する治療が重要になります。
このように、よく遭遇する肺炎には多くの種類があります。

治療

細菌感染である肺炎には抗生物質が有効です。
最近の抗生物質はよく効くので、適切な薬を服用すれば、外来でも治ります。
注意する点として
1)抗生物質にも種類があり、細菌によって有効な抗生物質と無効な抗生物質がある。
2)服用方法を守らないと十分な効果が得られない。
3)アレルギーが出ることがある。以前に、皮疹などが出た抗生物質は避ける必要がある。
4)飲み合わせによって、他の薬の効果を弱めたり、強めたりすることがある。
治りが悪いのに漫然と服用することは危険なので、必ず医師に効果を確認してもらうことをお勧めします。一方、あまり考えずに治療しても治ることが多いのですが、過剰な治療になれば耐性菌(薬が効かない細菌)を生むことになります。適切な診断と治療が患者様ばかりでなく、社会に必要な時代になっています。

間質性肺炎

間質性肺炎の病態を理解するのは難しいので、モデルのように解説します。
肺は沢山の小さな袋(肺胞)が集まって成り立っています。この袋の中に菌が入って炎症を起こすのが、いわゆる肺炎です。感染症が殆どで袋の中で炎症を起こすとイメージして下さい。抗生物質などで適切に治療されると、袋の中の汚れは無くなり、袋はまた綺麗な状態に戻ります。一方、空気と空気との間の袋の壁、そこを間質とよび、この壁自身が炎症を起こすのが間質性肺炎です。すなわち、間質性肺炎とは、肺の構造物自体の炎症で、その炎症のあとは構造破壊が起こり、肺自体は硬く(繊維化)なり、進行と共に肺は縮んでしまい、結果として呼吸困難感を生むなどの後遺症を招く結果になります。

原因とタイプ

間質性肺炎を惹起する要因は極めて多彩です。
遺伝的要因によるもの、膠原病によるもの(膠原病肺)、薬剤性(薬剤性肺炎)、吸入抗原による過剰反応によるもの(過敏性肺炎)、原因が不明なもの(特発性間質性肺炎)まで多岐にわたります。
膠原病肺には膠原病の症状とともに間質性肺炎が併発する場合と、膠原病特有の身体所見がないにも関わらず間質性肺炎のみが発症(肺野先行型)する場合があります。
過敏性肺炎は生活環境の中に原因となる抗原が存在し、その抗原に特異的に反応する人に間質性肺炎が発症します。家族など同じ環境下であっても、他の人が発症するわけではありません。よく遭遇する過敏性肺炎とその原因として以下があります。
1)夏型過敏性肺炎;木造建築内の白カビ
2)加湿器肺炎; フィルター内のカビ
4)塗装工肺;イソシアネート
5)鳥飼病; 鳥糞内のタンパク質
このように、個々の原因により間質性肺炎の名称がついておりますが、原因を特定しきれない場合は特発性間質性肺炎と称されます。
また発症形式として、急激あるいは数カ月以内の経過で発症進行する急性型と、半年以上の経過で進行していく慢性型があります。

症状

慢性型の間質性肺炎では、全く自宅症状がなく健康診断などで偶然発見されることも少なくありません。症状を有する例では、急性型・慢性型とも咳嗽と呼吸困難感といった一般的な呼吸器症状を呈します。慢性型では発熱はほぼ認めませんが、急性型では発熱を伴うことがあります。

診断

診断には画像検査が欠かせません。胸部X線写真である程度診断が可能ですが、正確な診断には胸部CTが必要になります。(当クリニックでは、JR東京総合病院など精査可能な施設と連携して診療します。)画像所見に照らし合わせて、発症背景の確認のために詳細に生活歴を含めて問診を致します。胸部以外の身体所見も参考になります。
血液検査も重要です。間質性肺炎の活動性の指標としてKL-6値、膠原病素因評価のために抗体検査は診断のみならず、病勢の判断にも有用です。アレルギーの関与が強く疑われる肺炎では好酸球数値やIgEの上昇を認めることがありますし、薬剤性肺炎の診断では血液検査で薬剤に対する反応を調べたりします。確実な診断、適切な治療介入のために気管支鏡検査なども必要になることがあります。

治療

治療は間質性肺炎の診断により様々です。無治療で様子をみていくだけでよい場合もあります。過敏性肺炎では、まずは抗原からの隔離が重要です。間質性肺炎が急激に悪化している場合や、膠原病肺の多くはステロイドなどの抗炎症薬が必要になります。肺の線維化が顕著な症例では近年、抗線維化薬が治療適応となりました。適正な治療には適正な診断が必要ですので、お困りの際には是非受診されて下さい。

代沢内科クリニック

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